karatachi log

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馬鹿者な若者が世の中を語るイタいブログ

“限界都市東京”に住む人間は狂っている

 私は東京生まれ東京育ちの人間だ。高校は東京のど真ん中にあり、家も23区内にある。毎日満員の小田急線に体を押し込み、階段の幅を広くとったあまりに横の通路があまりに狭くなった新宿のホームの点字ブロックの外側を歩き、蟻のように訓練された池袋の丸ノ内線の乗客に交じり押し寿司に擬態する。そして毎日思うのだ、狂っていると。一億と二千万の人口のうちざっと三千八百万の人間が東京都市圏に集中している。地方では1両で足りる車両を15両もつなげ、1本でも成り立つ線路は4本も敷かれ、電車が遅れりゃおっさんが駅員を殴り、つぶれたサラリーマンは痴漢に走る。おお、これが東京、花の都だ。世界最大の都市と駅は果たして称賛か皮肉か。一方で地方には人がいなくなり一本のレールと1両の車両も維持できないという。狂った国である。
 
 情報化社会は人々から移動の不便を取り除くのではなく都市へのあこがれをより強いものへと変えた。人が集まる都市には企業が集まり、企業が集まれば労働者も集まる。資本は都市に集まり、地方は衰退する。これを見た政治家はおらが町に金を撒きハコモノを作るが、その白さ際立って使う者はいない。その白さとシャッター街の灰色のコントラストが妙に悲しげな印象を与える。
 
 地方創生という言葉をよく聞く。しかしその成果は聞かない。むしろ限界集落の問題や赤字路線の廃線の話をよく聞く。観光資源があり、それをPRした結果人が来て賑わいました、というストーリーは地方創生ではないだろう。観光資源なんてない場所がほとんどだ。何もない場所をにぎやかにしてこそ地方創生である。
 
 ではどうすればいいのだろうか。まず第一に行うべきは地方都市の再生ではなかろうか。都市に人口を流れ込ませないためにはまず県内に人口をとどめておく必要がある。まずは県内でも満足に生活できる環境を整えることは絶対条件となる。
 次に必要なのは働く場所の整備、つまり企業の地方移転の促進だ。これはいきなりハードルが高い話だ。最近では西武鉄道が所沢にあった本社を池袋に移転するというとんでもない計画を発表し、実行している。これはつまり今まで所沢に通勤していたたくさんの従業員が池袋に通勤してくるというわけだ。それだけ池袋線の乗客が増え、混雑度が増す訳だが、果たして何のために移転するのだろうか、意味不明である。最も、全ての部署を地方に移転すべきだとは思わない。例えば営業部などは東京に残るべきだろう。しかし、東京に必要ない部署だってたくさんあるはずだ。また、現状は東京に存在する理由がある部署も旧来のやり方を捨て、もっとITを利用したやり方をすれば地方に行けるはずだし、きっとそっちのやり方のほうが効率的だ。もしかしたら企業がビルを建てて全員集合するスタイルがもう時代遅れなのかもしれない。事務作業程度なら家でもできるし、街中に共同オフィスを作ってそこに通勤するやり方もいいかもしれない。
 
 でも誰もやらないのだ。大学だってどんどん東京に戻ろうと必死だ(もう無理だけど)。なぜかっていえば何のメリットもないから。たくさん人がいるところに作るほうが有利だから。そしてその現状を変えることが怖いからである。日本人の悪い癖だ。どう考えてもこれ以上東京の人口を増やすことは不可能なのに、それを強いてしまう。まあ企業も大学も営利事業を営む上ではそうすることも仕方あるまい。ここで政府の出番である。東京一極集中はどう考えてもコンパクトシティとかいう概念を超えた日本の癌である。政府が立てるべき政策は(もう実行されているものもあるが)
  1. 地方移転した企業への減税・移転費用の負担
  2. 移動手段の一部負担
  3. 住民税等の調整・最低賃金の全国統一
である。
 
 1番目、これはわかりやすい。もはや説明するまでもないが、地方へ移転した企業への法人税減税である。全従業員中の移住した人員の割合と移転した土地の人口密度によって減税されるべきだ。
 これについてはすでに実行されているのだが、あまりに減税幅が小さすぎる。もっと強力に減税しないと移転する費用に割が合わないはずだ。特に、すでに東京に自社ビル等を持っている会社も地方移転は難しいだろう。そこで、すでに都市にある自社ビル等は国や都が買い取り、ベンチャー企業等へ貸すというのはどうだろうか。東京は大企業の町からベンチャー企業へと転換するのだ。ベンチャーレベルの零細企業であれば物理的に近いというメリットはまだ大きい。ベンチャーが集積し、企業同士で交流することは新たな製品や事業にとって効果的となるはずだ。
 
 2番目、これは回を分けて次回説明したい。
 
 3番目、これはつまり地方に住む人は住民税が安く、都会に住む人は住民税が高くなるシステムだ。これはまだ未来を模索する若い人には適応すべきではないと思うが、子供を持ったある程度年収のある家庭にはこのような仕組みがあってもいいのではないかと思う。地方に住むのが安ければ地方へ行く人も増える。これはなんのひねりもない政策だが、企業が地方へ移転することによって従業員にも金銭的メリットが生まれることになり、企業移転の促進にもつながると思う。
 さらに、最低賃金の統一も必要だ。地方も都市も物価が変わらない現代に賃金差があるというのは大きな問題だ。政府は最低賃金を全国統一して、地方からの人材流出を抑制すべきだ。
 
 東京はもう限界である。この東京一極集中の問題を解決するには多少過激な制度が必要不可欠であろう。地方の魅力を訴えるのもいいが、税制的に作り出すことも必要だ。政治家は企業や経団連の顔色ばかり窺っていてはだめだ。財界に訴えなければ選ばれた価値がない。日本を考えるならば、今やるべきことは東京一極集中の解消により東京に、全国に余裕を生むことではなかろうか。